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「発音」について
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英語発音

 
高校英文法・発音
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2016/08/01

Leon Werth の読み方

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 友人と「英語朗読会」というのをやっています。気に入った英語の読み物などを代わり番こに音読する、ただそれだけのことです。今読んでいるのはサンテグジュペリの「星の王子さま」の英訳本です。作者はこの物語を最愛の友 Leon Werth に捧げています。従って献辞のタイトルは To Leon Werth ですが、問題はこの名前をどう発音するかです。私の友人は「英語の本なんですから〈リーアン・ワース〉でいいんじゃないでしょうか」と言います。(もちろん、友人は英語でちゃんと [li:ən wə:rθ] と発音しています。)私は「個人の名前はできるだけ原語の発音に近く」をモットーにしているので [leɔ vert] (ɔ は鼻母音で)にこだわりました。このような問題が出てきたときの相談相手は長年の友人Aと決めています。メールで質問すると、『外国人名よみ方字典』にこう書いてあるよ、と言ってきました。

  友人Aによると、この字典は、かつて実在した(あるいは現在、実在している)外国人の名前をカナ表記するときどういう書き方をするか、その異なる書き方を網羅した字典なのだそうです。
 歴史上実在した人物の例として
William Shakespeare を取りあげて説明します。字典の見出し語は姓(ラストネーム)か名(ファーストネーム)かどちらかなので、ここでは William をとりあげてみます。ここで大事なことは、この William という人物が、歴史上実在した別個の多くのウィリアムさんを指すのではなく、William Shakespeare のファーストネームとしての William をカナ表記した場合、どのような表記になるかを問題にしているのです。
 『字典』によると、Shakespeare William は「ウィリアム」から始まって「ビリアム」に至るまで21種類の表記を与えられています。繰り返しますが、これは同じ William さんでも、カナ表記の違う21人の William さんが実在したという意味ではなく、William Shakespeare William がカナ表記されるとき、その書き手によって21通りもの表記になったということです。
 では、話を Leon Werth に戻しましょう。 ここでは Werth を見てみます。Werth には次の5種類のカナ表記が充てられています。

Werth

 ウェルト

 ヴェルト

 ヴェルス

 ベルト

 ワース
この字典には、なぜこの5種類の表記法が採用されているか、その理由は述べられていません。さまざまな異なる文献で、異なる書き手によってこれらの異なったカナ表記が用いられているという事実しか示されておらず、その理由は想像するしかないようです。以下は私の勝手な想像です。

 ウェルト : サンテグジュペリの「星の王子さま」(Le Petit Prince)の日本語訳が出たとき、その多くの訳本で「ウェルト」が採用されています。いわば日本語訳では伝統になっている表記と言えます。(更に想像をたくましくすれば、Werth というドイツ語風の綴りから、th はドイツ語的に [t] で発音し、w [v] ではなく [w] と発音する日本語発音の風習〈例:『若きウェルテルの悩み』〉に従った結果、「ウェルト」になったものかと思われます。)

 ヴェルト : レオンの両親の出身地がフランス北東部のユダヤ人ドイツ語(Yiddish)を話す地域であることを考えた場合、Werth を「ヴェルト」とドイツ語的に発音するのが最も適切かと思われます。

 ヴェルス : これは Werth th の部分を英語読みして、ほかは上記「ヴェルト」に従っている発音です。

 ベルト : これは「ヴェルト」の「ヴェ」を日本語発音「ベ」にしたものです。

 ワース : これは完全な英語読みで、worth と同じ発音です。

 

 私のトリヴィア追究も予定ではここで終るはずだったのですが、つい2、3日前に別の友人から新たな情報が入りました。その友人の奥様が面白い感想を漏らされたというのです。いわく、「私も〈ヴェルト〉でいいと思うんですが、最近は英語の影響らしく、ドイツ語圏でも〈ヴァート〉と発音する人が増えているようですよ。」 Werth の6つ目の読み方が出てきました。





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2016/06/04

英語発音の手がかり

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「英語の振り仮名」というタイトルで英語の単語を発音するときの手がかりとして4つの方法について書いたところ、友人(Sさん)からメールで「第5の方法もあるよ」と意見が寄せられました。それは日本語の振り仮名をふるというやり方なので、私の4つ目の方法と同じなのですが、大きな違いもあるのです。

私のやり方では Let me talk about my family. という文なら、「レット・ミー・トーク・アバウト・マイ・ファミリー」という日本語の振り仮名がふられるのですが、Sさんの方法は違うのです。生徒はこの文の読み方を先生が発音した通りに(生徒が聞いた通りに)日本語で書くのです。たとえば、「レミトーカバウマイファムリ」のようにです。生徒の聞き方が悪いと(?)とんでもない発音になる危険性もありますが、自然な英語発音が覚えられる可能性も大なので、お勧めの方法ではあります。
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2016/06/04

英語の振り仮名

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英語の単語を発音するときの手がかりはどこにあるのでしょうか。人によって違うと思いますが、思いつくままにあげてみますと、次の4つぐらいでしょうか。

 

1. 発音記号を調べる

2. フォニックスのルールを使う

3. 何度も発音する中で自然に覚えるので、特に手がかりというものはない

4. 単語に振り仮名(ふりがな)をふる

 

以下、それぞれについて説明します。

 

1. 発音記号を調べる

  例えばWednesday の発音に自信がなかったとき、辞書で発音記号を調べます。[wenzdei] とあるので、は発音しないということがわかります。ほかの発音記号([w]  [z])はみな読めるので、単語全体の発音はOKです。しかし、こういうふうに単語が読めるということは、英語の44個の発音記号を全部正しく音声化できるということが前提になっています。そういう人はそうざらにはいませんね。(中高時代に英語の発音記号を全部教わったかどうか大学生に聞いても、全部教わったと答える学生はいません。)そうだとすると、「発音記号を調べて発音する」というのもそう簡単に使える方法とも言えませんね。

 近年の電子辞書の普及を考えれば、発音記号を調べるという手段は不要になり、人々はその語の発音を直接辞書から聞くのでしょう。

 

2. フォニックスのルールを使う

 フォニックスのルールを使う人は、例えばMike の発音を次のように予測します。 [m], k  [k] とすでに習っているからわかる。語尾の e は発音しないということも初めの頃習った。そして、語尾に e がついた時は、その前の母音(この場合i)をアルファベット読み([ei], E [i:], O [ou] など)にするので、の発音は [ai] だ。これら全部をつなげると [maik] になる。

 このように、フォニックスではつづりと発音の関係についてのさまざまな規則を使って単語を読もうとします。そして実際、かなりの単語がフォニックスのルールで読めます。しかし、was とか give などのように英語学習の初期の段階で出てくる単語の中にフォニックスのルールでは読めない単語が少なくないことも事実です。フォニックスで教える教師でもwas  give [wɔz], [giv] と丸ごと発音するように言わざるをえないこともあるようです。

 

3. 何度も発音する中で自然に覚える

 これは単語の発音を覚えるのに特別な方法を使わず、単語1個の発音を一つのかたまりとして覚えるやり方です。例えばapple とか bed という語を、丸ごと[æpl] とか [bed] と覚えていくやり方で、フォニックスのように a  [æ], le  [l]というように分析的なやり方をとりません。教室で先生がフラッシュ・カードを使って apple bed の文字を見せ、発音は丸ごと[æpl] とか [bed] と教えるのはこの原理にもとづいています。単語1個の発音を丸ごと教えるこの指導法はwhole-word method (ひと目読み法)とも呼ばれます。

 

4. 単語に振り仮名(ふりがな)をふる

 「英語の単語に振り仮名をふる」というとき、その「振り仮名」には2つの種類があります。一つはある種の記号で、もう一つは日本語の仮名(平仮名でも片仮名でも)です。

 記号を使うというのはこういうことです。例えばmade の発音([ei])を示すのに a の上にバーをつけます。Mad の発音([æ])を示すのには何も記号をつけません。Fatherの発音([ɑ:])を示すのには a の上にウムラウト(¨)をつけるという具合です。これらの記号はdiacritical marks と呼ばれていますが、平たく「英語の振り仮名」と呼ぶ人もいます。

 英語圏で出版される辞典(英英辞典ですね)には発音を示すのに必ずしも国際音声記号(IPA)だけで表記していない場合があります。そのような時に、このdiacritical marks を補助的に使っています。英語圏の辞典が使っているような厳密なdiacritical marks ではない略式のものを使って、日本人英語学習者の発音習得に役立てる方法はないものでしょうか。

 さて、英語の振り仮名の2つ目です。これは、英単語に日本語の振り仮名をふるという方法です。例えばbeautiful に対しては「ビューティフル」、Taro plays tennis. という文なら、「タロー・プレイズ・テニス」と片仮名(あるいは平仮名)で、普通はそれぞれの語の上に読み方を書きます。そして、その文を読む時は、英文ではなく日本語の方を読むことになるのでしょう。少なくとも、その読み方に慣れるまでは。読み方を覚えたら、日本語を見ないで英語の文を読みます。振り仮名は読み方の見当をつけることにだけ使って、単語の発音そのものは先生が示す正しい発音を手本にすればいいでしょう。

 「そんなことをしていたら発音がジャパニーズになってしまう」という反対の声がすぐあがるのは知っています。しかし、この方法を実践している先生方からは「正しい発音をうんぬんする前に、うちの生徒たちは『英語が読めた』と言って、飛び上がって喜んでいるんだから、、、 それが英語をやる気につながっていくなら万々歳なのよ」と言われると、ちょっと返すことばがなくなります。



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2016/06/04

世界共通英語発音

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私たち日本人が英語を学ぶ場合、目標とすべき英語発音を「純正な」発音にすべきか、日本語なまりの発音でもよいと考えるか、意見の分かれるところです。このような状況の中で「英語を母国語としない人々の間でコミュニケーションをとる場合はネイティブスピーカーの発音でなくともよい」と提言するイギリス人言語学者が現れました。なかなか興味深い意見なので、かいつまんでご紹介します。この考えは

Jennifer Jenkins, The Phonology of English as an International Language (Oxford University Press, 2000) にまとめられていますが、私がご紹介するのは、ジェンキンズが「ノン・ネイティブスピーカーが守るべき基準」と規定している発音項目だけです。


子音について

Th の発音(/θ/ for think/ð/ for thatをほかの発音で代替するのは、大抵の場合は通じます。

例 think を tink, fink のように発音するのは通じます。しかし、日本人の shink はダメ。ドイツ人が that  zat と言うのもダメ。

〈長澤注〉「ダメ」というのは、その発音がノンネイティブスピーカー同士のグループ活動で通じなかったということです。

 

Car  heart  /r/ はアメリカ発音のように /r/ を抜かさず発音すること。イギリス式に/r/ を発音しない /kɑ:/ はダメ。文字と発音はできるだけ一致させるという考え。

 

母音に挟まれた /t/ (matter) はアメリカ発音の /d/ ではなく、イギリス式の /t/ にすること。これも文字と発音の一致の考え。

 

閉鎖音のあとの気音(aspiration)は絶対必要。Peach が beach にならないように、/p/ を帯気音で発音すること。

 

英語の子音に似た子音があなたの国の言語にある場合は、その発音で大抵通じます。例 /l/ (like) に対して日本語「ラ」行子音でも大丈夫です。

 

日本人が /h/ (who) や /f/ (football) を「フ」で発音するのはダメ.

 

日本人が語尾の /n/  /で代用するのはダメ。例 ban, station

 

〈長澤注〉これなど、「バン」や「ステイション」でもいいような気がするのですが、日本語の「ン」は全く異種の音と受け取られるようです。

 

子音連結について

Winter はアメリカ式にwinnerとせずに、イギリス式に /t/ を発音する。

 

語頭の連結は省略してはいけない。台湾人のように product  を /padak/ と発音してはいけない。日本人の /パラダクトはよい。

 

母音について

長母音と短母音の区別ははっきりとつける。peak vs. pick

標準的な英語の母音に似ている母音があなたの国の言語にあれば、その母音でも大抵は通じます。ただし、一貫性をもたせること。ただ一つ例外がある。 Bird などの /ə:r /は正確であること。(〈長澤注〉これを bard /bɑ:d/ のように発音する外国人が多いようです。)

 

弱形

文中で must  /ms/, can  /kn/ のように、弱形を使う必要はない。その語全体を弱めに発音するだけでよい。

 

語の強勢

語強勢が(正しく)なくとも意味は通じる。

 

強勢拍リズム

ネイティブスピーカーが日常の会話でそのようなリズムで話しているわけではないので、これも守る必要はない。

 

イントネーション

発話の意味とイントネーションの間に1対1の関係があるわけではないので、規則のようなものを想定して、それに縛られる必要はない。

 

Nuclear stress

適切なコミュニケーションには絶対必要なものである。

Did you buy a tennis racket at the sports centre this morning, or was it a squash racket?

においてsquash  nuclear stress を置くのは必須である。



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2016/06/04

Nの発音new

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小学校で英語ボランティアをやっていらっしゃるお母さんたちの英語発音を見てあげています。先日は[h] の発音で手間取ってしまいました。なんで

[h]がむずかしいの?とお思いになるかもしれません。同じ[h] でも

hatではちゃんと出ている [h] の音がwho になると [になってしまう

のです。 これは小さいことのようですが、日本人の英語発音の大きな

欠点の一つとしてイギリスの音声学者ジェニファー・ジェンキンズに指摘されているものです。

 

ジェンキンズがその著書*の中で [h] 以外の日本人の英語発音の弱点として

あげているのは [n] です。Banとかstation などの単語例をあげているところを見ると、同じ [n] でも語尾の [n] に問題ありと思っているようです。「バン」とか「ステイション」の「ン」の発音ではダメだと言うのですね。語尾の [n] などさほど重要ではないと考えてしまいがちですが、どうもそうではないらしいのです。

(実際、大学生の発音を聞いていると、then なんだか them なんだかわからないことが多いですね。)このジェンキンズの [n] の話は私に一つの遠い過去の記憶を呼び起こしてくれました。

 

それは40年ほど前のあるスピーチ大会のことです。

当時、私はラジオを聴いていました。たまたま聴いたのが讀賣新聞主催か

何かの「英語スピーチコンテスト」(多分、高校生対象の)でした。問題は

スピーチが終わってからの講師講評にあります。歯切れのいいイギリス人の
講師がスピーチの内容にコメントした後、発音のことにひと言触れたのです。
それが [n]  ことだったのです。「発音について重要なことを一言、語尾の
[n] 
ははっきり
発音してください」。スピーチの内容についてとてもいいコメントをした後の注意としては何と些細なことを言うのかと思ったものです。しかし、40年後に私は同様のことを強調するネイティブスピーカー(ジェンキンズ)に出会ったのです。

 

こうしてみると、語尾の [n] はわれわれ日本人が考える以上に重要な問題

なのかもしれません。英語の [n] と日本語の「ン」は近い発音だと感じている

のは日本人だけで、英語のネイティブあるいは日本人以外のノン・ネイティブにとって、「ン」は [n] とはかなり異質な音として響いているのかもしれません。想像をたくましくすれば、事は [n] の問題だけに終わるのではないのかもしれません。要するに、英語は舌先で歯茎を強く押して音をつくる言語であり、日本語は舌先で歯茎をなでたり、口先で吹くようにして音をつくる言語ということであり、日英語の発音の大きな違いはこのあたりからきていると思われます。


*Jennifer Jenkins.  2000.  The Phonology of English as an International 
      Language
.  Oxford University Press. 



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